サザンカ枝切除のその後
こんにちは。樹木医の大嶋です。今日は過去に切った枝の現在の状態を報告します。
それは、平成27年1月28日に富士市緑化指導員研修会が開催され、座学の後、参加者全員にサザンカの枝の切り方を実習してもらった現在の状態です。
枝を切除した時、殺菌癒合促進剤で有機銅剤のバッチレートを塗布し、黒の防草シートで覆っておきました。
防草シートで覆った理由は、紫外線防止と湿度保持のためです。
平成27年6月2日、処置から約4ヶ月後に防草シートをめくった時の状態です。
カルスがほぼ均一に盛り上がっています。
他の枝の切り口も、ほとんどうまくカルスができています。
上の写真の幹を横から見たところです。
枝を切る面は、一面しかありません。
その面をどう探すか、がポイントです。
数多くの切り口の中で、 この切除痕は、
カルスが均一に盛り上がっていません。
処置の失敗例です。
上の写真の幹を横から見たものです。
成功例と比べ、明らかに切り込む
位置や角度が異なります。
この場合、下からノコギリを入れないと正しい面で切れません。
この写真は、平成26年1月に開催された富士市造園緑化協会講演会で枝の切除方法の解説後に、公園で参加者に実習してもらったものです。
処置から約1年5ヶ月後の平成27年6月2日の状態です。
この枝の切り方なら木も喜びます。
枝の切除方法を間違えると、このように腐朽が幹の中まで入ってしまいます。
木の健康を守るのであれば、枝の切除方法は極めて重要です。
繰り返しになりますが、
枝の正しい切除面は、
ただ一面しかありません。
関連記事