樹木の葉
(剪定後のツバキ)
こんにちは。木守樹木医の大嶋です。久しぶりの投稿になります。
これらの写真は、先日、富士市内の幼稚園を会場にして開催された剪定講座における、受講者による剪定後のものです。
今回のテーマは、樹木の葉の量はどのように考えて剪定するか、です。
自然の樹木の樹冠は、ほぼ全面、葉で覆われています。
(剪定後のキンモクセイ)
そもそも、樹木にとって、無駄な枝や葉は一切ありません。
しかし、人と樹木の共生となると、人の都合も50%ぐらい考えなければなりません。
すなわち、樹勢を維持しつつ、人にとって管理しやすい、景観の良い剪定をすることになります。
管理しやすい剪定とは、病虫害にかかりにくい、徒長枝の出にくい剪定です。
(剪定後のモッコク)
そのためには、風通しを良くしながら、樹冠全体の葉に効率よく光を当てることです。
樹木が水を吸収して葉先まで行き渡らせられるのは、水を葉から蒸散しているから、といわれています。
実に、吸収した水の95%を蒸散によって空気中に出しています。だから、葉がなければ水を吸収できにくくなるのです。
さらに、葉では、二酸化炭素を吸収し、光エネルギーを利用して炭水化物と酸素を合成しているのはご存知のとおりです。
全ての動物は、植物のおかげで生きていけるのです。
すなわち、樹木にとっても人にとっても、葉は「
命」なのです。
それでは、葉の量は具体的にどうするか。自然樹形の葉の表面積、すなわち、長さ(木の太さや高さ等)の2乗に比例するように葉を残すことです。
例えば、太さが2倍の樹木の葉の量は、4倍の葉の量になります。3倍の太さなら、葉の残す量は9倍となります。
剪定するとき、これらのことを思い出していただければ、「
葉」を大切にしていただけると思います。
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