2016年10月11日
シラカシの剪定
上の写真で、左のシラカシが剪定した後のもの、右のシラカシが1年前に剪定し、今回剪定する前のものです。
当社では、どこを切ったのかわからない、自然樹形剪定に努めています。
下の写真は、2本とも剪定した後のものです。
美しい自然樹形剪定をする上で留意すべき点は、次のことです。
①樹木の高さと横幅の比率
環境に合うように決定しなければなりませんが、広葉樹であれば、高さ:横幅=2:1、樹冠の高さ:横幅=1.65:1(黄金比率)に、針葉樹であれば、高さ:横幅=3以上:1 にすると美しく見えます。ただ、広葉樹は古木になると、高さ:横幅=1:1 になってきます。
②枝を切る正しい位置
幹と枝、枝と枝を切り離す場合、その境で切ります。決して枝の途中で切ってはいけません。境の見つけ方は、またの機会に解説します。
③残す葉の量
樹木は、葉で光合成を行い炭水化物を合成し、それを分解して発生するエネルギーを使って生命活動をしています。まさに「葉が命」といえます。太く大きい木は、樹体を維持するだけでも多くのエネルギーを必要とします。
だから、剪定する際には葉をできるだけ多く残すことが大切です。それではどのように残すか、というと、私は、樹体の全表面積に比例して葉を残すようにしています。
面積は、長さの2乗ですから、木の高さや太さの2乗、もし、高さや太さが2倍の木の葉の残す量は4倍、ということになります。
自然樹形剪定のことなら当社にご相談ください。
2016年10月11日
ご神木の安全処置(2)
(ご神木の安全処置(1)よりつづく)
【処置後のご神木(西側)】
傾斜し、腐朽した主幹を伐採したため、幹折れの危険は低下しました。
後は、伐採した主幹の下部の腐朽防止と残した幹の良好な成長を促すことになります。
【伐採した主幹の断面】
伐採した主幹の断面を調べたところ、生きているのは周りだけで、あとはスポンジのように腐朽していました。
【処置後のご神木(東側)】
伐採した主幹の下部から、萌芽枝がでてきました。光合成を行い、根までエネルギーを供給できるので、下部の腐朽を少しでも防げるのではないかと期待しています。
この度、処置してから9ヶ月たち、3回目の殺菌癒合促進剤を塗布しました(H28.10)。
2016年10月11日
ご神木の安全処置(1)
【処置前のご神木(西側)】
富士市の某神社のご神木であるスダジイの主幹が傾斜し、幹心も腐朽して危険となったため、地元の管理運営委員会から処置を依頼されました(H28.1)。
根元から2mぐらいまでは空洞で、コブ病や木材腐朽病(シイサルノコシカケ)がいたるところに発生していました。
【処置前のご神木(東側)】
傾斜した主幹のほかに直立した幹がありますので、直立した幹を残し、傾斜し危険な主幹を伐採することにしました。
併せて、コブ病の治療と、固結した土壌の改良(土壌膨軟化と炭の投与)を行うことにしました。
(ご神木の安全処置(2)につづく)